2009年11月29日

間取りを考えながら その2

以前、ルイスカーンのエシェリックハウスについて書いたことがあります。(こちら

その時、ファンズワース邸や住吉の長屋のようなインパクトのある家よりも、エシェリックハウスのような味わい深い家を設計していきたいということを書きました。

今も当然そう思っています。

たとえば住吉の長屋について。
古い町屋のスタイルを現代風によみがえらせたとか、自然との触れ合いとか、いろいろな意味づけがされています。
そこで大切なのは、その意味がそこに住む人にとってどういう意味を持つのかということ。

便利さを求めて失ったものもあるかもしれません。
快適さを求めて失ったものもあるかもしれません。
そういう失ったものを気付かせてくれるのが住吉の長屋のようです。

しかし、住み手が便利さと快適さを求めているのに、そこに建築家の哲学としてまるで修行僧のような生活を押しつけているとすれば、それはいかがなものかと思うのです。

実際、住吉の長屋に住んでいる人は、冬の寒さを安藤氏に訴えたところ「アスレチックに行け」と言われたというエピソードもあって、現代建築史に輝く家に住むのもかなり大変だなと、お気の毒だなと思います。

家は外部環境から家族を温かく守らねばなりません。
でも、単純な箱を組み合わせればそれは単なるシェルターです。
守るという意味では事足りますが、それじゃあなんだかつまらない。

壁に絵を掛けるように。
テーブルに花を添えるように。
その空間を豊かなものにしたい。

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posted by クリエ at 09:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 計画・意匠・デザイン

2009年11月28日

間取りを考えながら

詰め込んで、詰め込んで、密度が高いけど使いやすい間取り・・・これは比較的簡単です。クロスワードパズルのように組み合わせればいいんです。

しかし、そこに面白みを加えようとするとそれが難しい。

クロスワードパズルでいえば、正解と言葉が違うけど、意味が通じで面白い・・・みたいな感じでしょうか。

ちょっと例えが貧弱だけど、だいたいそういうことかなぁ。


間取りを考えながら、せっかくだから面白くて意味のあるものを作りたい。



そう思う今日この頃です。


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posted by クリエ at 15:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 計画・意匠・デザイン

2009年11月20日

使い勝手のいいベランダ・バルコニー

091120.JPG家づくり情報webマガジンに、イエマガサポーター89人によるベランダに関するアンケート記事が出ています。

アンケートは広く一般的なものの考えを知ることができるという点で非常に有効です。そういう意味でイエマガはとても参考になるサイトです。

タイトルのベランダについて。
まず、うんちくじゃないんですがベランダとバルコニー、間違って表現しているケースがよくあります。
屋根が付いているのがベランダで、屋根なしがバルコニー、1階にあるのがテラス。。。まあ、あまり重要じゃないんですけど。

さて、記事を読んでみると、オーダーのベストスリーは、
1位:奥行きが広い
2位:布団・洗濯物が干しやすい
3位:水栓・コンセントをつけること
とあります。

逆に使い勝手の悪かったところとして
1位:奥行きが狭い
2位:屋根との関係
3位:防水対策
となっています。

男のロマンからいえば、ベランダでBBQがしたいとか、テーブル出してビールでも飲みたい。みたいな「敢えて言えば」非現実的な夢を語ってしまいがちですが、主婦にとってベランダは家事の主戦場の一つ、全くと言っていいほど価値観が違います。

ですから、建築士の立場からベランダを考える場合、家事としての使い勝手は重要で、動きやすい奥行きである有効1.2m以上の奥行きと、家族の布団を干せる巾もポイントになってきます。

木造の場合、バルコニーのはね出しは下の階の壁心より90センチ程度です。下の階と上の階の外壁が重なっている場合、バルコニーのはね出しは90センチとなり、奥行きの有効寸法は壁厚にもよりますが75センチ程度、ちょうど廊下の幅と同じ位です。
布団干しには良くても、洗濯物は干すと、動きにくいことになります。
それじゃあどうすればいいかというと、下の階より上の階の壁を内側に下げればいいんです。下げた分だけベランダの奥行きが増えるということになります。

プランニング段階で部屋の大きさにこだわり過ぎるとベランダの大きさに制限を受けるので注意が必要です。

それから水栓・コンセントをつけることについて。
私はこの2点もプランニング打合せのときは必ず聞いていますね。
水栓はバルコニーと窓の掃除に活躍しますし、電源はクリスマスのイルミネーションなどに活躍しますね。
水栓は流し付きのものもありますが、個人的には蛇口だけ付けて、そこにホースをつけて利用するのが便利だと思っています。
その両方兼ねられるものもありますが、ちょっと大げさですかね。

あと、アンケートでは外観にマッチちたものとして、木製のベランダがいいというものありました。
デザイン性やぬくもりを感じるというのがその理由です。
個人的にはあまりなじみがなかったのですが、そういう意見もわかる気がします。・・・そういえば、都筑区S邸は木製バルコニーです。

家事の主戦場であるベランダ・バルコニーですが、意匠的にも重要な要素のひとつです。手摺の素材やはね出し方など外観を決定する大きなポイントになってきます。
はね出し具合は、下の階の庇となるので、下の階の日当たりについても考慮する必要があります。
また、手摺は視線を遮る目隠しの役割もあるので、開放的に視線を遮るということも考える必要です。

ということで、設計的にはいろいろと考えることの多いベランダ・バルコニーであります。

画像は川崎市宮前区S邸の2階のプラン。
主寝室前ののバルコニー部分は約6帖の大きさ。3分の2が屋根ありで3分の1が屋根なしです。これだと日に当てることもできますし、ちょっとした雨でも屋根の下に干しておけます。ワイドは10mもあるのでたっぷり布団干しもできる必要十分なバルコニーです。

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posted by クリエ at 10:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 計画・意匠・デザイン

2008年10月17日

重力への抵抗は美しいか

物体には重さがあります。
体重もそうだし、建築物にも重さがあります。
大まかに言うと、30坪程度の木造住宅で基礎の部分まで入れると50トン位あります。

著名な建築家の中には、重力に抵抗するかのような、言い方を変えれば、まるで重力が存在しないかのような設計をする人がいます。
そういうちょっとした驚きというかマジックを見せることを「個性」としていることに違和感を感じます。

例えば、ちょっと前にテレビで建築の過程を放映していた、建築家Tさん設計の2件の家について。
初めの家は2階建てで、道路に面して1階の壁が一切なかった。どのように構造的に成立しているのか、想像力に乏しい私には分かりませんでした。。。2階はリビングになっていて、端から端まで窓でした。まあ、そこの部分は面剛性が高ければもつかもしれませんが、無理をしていることには違いないと思いますね。あの建物、構造の審査がいらない4号建築物のようですから・・・考えるとちょっと怖いような。。。

2軒目の内部に柱のない平屋の家、大きな鉄骨の梁を外周部に架けて、内部を開放しているのだが、中庭を仕切るたくさんの木製建具は今もきちんと動くのだろうか・・・。そう遠くない未来に、鉄骨の梁は、自らの重みで垂れ下り、窓が開かなくなってくるのではないだろうか。そのあたり、木製なので削ればいいじゃん、位なのかもしれませんが、どうも「出来たその瞬間がよければいい建築物」のようにも思えてしまいます。
いくら構造計算をして成立していても、際どい設計ならば壊れないまでも、いろんな不具合が生まれそうですから。

保守的と言えばそうかもしれませんが、重力に逆らい家を建てることはそう多くの建築家がすることではありませんから、目立ちますね。それを目的としているならば、ちょっと違うかなと思います。

かといって、カチコチ頭では設計はできません。柔軟な発想の中で合理的な設計を目指さねばならないと思っています。その中で美しい建物を造りたいと、私は思います。
posted by クリエ at 21:26| Comment(2) | TrackBack(0) | 計画・意匠・デザイン

2008年09月04日

エシェリックハウスが味わいならば・・・

080904.jpgこちらはインパクトの部類ですね。

北京オリンピック開催に向けて竣工予定だったのが、作りが複雑なために工期が遅れ、外部のガラスだけ貼り付けて完成風に仕立てたという、CCTV(中国中央電視台)本社新社屋!

ざっくりした造形のためあまり大きくないようですが、高さ234m、延べ46万u也。

設計したのはオランダのレム・コールハース氏率いるOMAです。
OMAはこうしたインパクトのある建物を数多く設計していますが、単なる流行りではなく、どこか知的な感じがするところが好きですね。

重心が建物の外部にあるという斬新さ、中国の施工精度がどこまでなのか分かりませんが、ねじれに耐えきれず、倒れないことを願います。


posted by クリエ at 22:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 計画・意匠・デザイン

2008年09月03日

ルイス・カーン エシェリックハウス

080903.JPGルイス・カーン。1901年、当時のロシア帝国のエストニア地方サーレマー島生まれで、両親はユダヤ人で、1906年にアメリカに移住してきました。

彼は、ミース、ライト、コルビュジエのいわゆる3大巨匠と世代は違うものの、美しく力強い造形美はしばしば最後の巨匠といわれています。

建築を学び始めたころは、ミースのファンズワース邸のような「これって家なの」というようなインパクトのある作品が“単純に”好きだったような気がします。
日本でいえば安藤さんの「住吉の長屋」のような作品ですね。

しかし、斬新な実験的住宅の衝撃に気を取られることなく、図面を読む力が少し付いてくると、図面を味わうことができるようになってきたようで、好きな作品群が徐々に変わってきて来ました。

中村好文さんの「住宅巡礼」という本に、カーンのエシェリックハウスが紹介されていています。

このエシェリックハウス、13mx9mの小さな住宅ですが、噛んでも噛んでも味の消えないスルメのような作品といったら失礼ですが、とても味わい深く、大変好きな作品です。
実物を見たことはないのですが、図面や写真を見て、すっかり頭の中にその家は存在しているほどです。

なにがそんなに良いのかというと、住宅のようでない外観でありながら、窓や仕上げの構成がとてもかっこいい。中の空間構成もシンプルで使いやすく、開放的でいい。などなどなど。
竣工が1961年ですから、かれこれ半世紀前の作品ですが、いまも珠玉の輝きを放っていることには間違いありません。

私も「これって家なの?」のような家ではなく「味わい深い家」の方を向いて設計していきたいと思っています。

≪ 写真はカーンによるエシェリックハウスのスケッチ ≫
posted by クリエ at 09:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 計画・意匠・デザイン

2008年08月26日

クリス・バングル

080826.JPGクリス・バングルは、1956年アメリカ・オハイオ生まれのカーデザイナー、現在BMWのチーフデザイナーです。

彼は1992年にフィアットからBMWに移り、2001年には7シリーズ(E65・E66)を発表しました。
それまでの7シリーズで見られたオーセンティックなデザインとは異なり、眠たげなまなざしと、トランクやテールランプまわりの収まり方(彼の名前をとって、バングル・ブットと呼ばれています)が今までに見たことのないようなデザインでした。

あまりに眠たげで独特なデザインのため、不評だったせいか、一時メルセデス・ベンツは仕向けた刺客じゃないか、とまで言われたそうです。
その後「たれ目」から「吊り目」に変更。今に至ります。

E65・66以降、現行のBMWのデザインの多くは彼の手によるもので「彼以前」のものとは全く違ったデザインとなっています。

アウディーやアルファロメオのように、ヨーロッパのメーカーは、デザイナーのカラーを強く出してきます。デザイナーが変わればイメージががらりと変わることがよくあります。
アウディーの「コアラの鼻」のように、個性を強調することはギャンブル的な要素もありますが、自社ブランド色を押し出し、他者との差別化とより明確にしていこうという意思が見えます。
日本のメーカはなかなかその領域まで踏み込めていないように思えますね。デザイン分野で日本はもう少しがんばっていただきたいものですね。

日本は頑張っていないかというと、そうでもなく、BMWのエクステリア・デザインは永島譲二さん、アウディーも和田智さんという日本人が活躍していたりします。

今は日本に戻ってますが奥山清行さんも世界を代表するデザイナーですね。彼がエンツォ・フェラーリをデザインしたことはあまりに有名です。

日本のカー・デザインを良くするためには、デザイナーの問題ではなく、商品開発の工程に問題がありそうで、急がずじっくり本物のデザインを追及してもらいたいなと思いますね。
そうでないと、永島さんや和田さんのように、本物を目指すデザイナーはどんどん海外に流出していくことになりかねません。
バングルのデザインを見て、そんな事を思ったりする今日この頃です。

≪ 写真はBMWのホームページより6シリーズ。バングル・デザインのコンセプトがよく表れたものです。スポーティでもあり、エレガントでもあり、好き嫌いはあるかもしれませんが濃いデザインをしていますね。乗ってみたい。。。 ≫
posted by クリエ at 09:39| Comment(1) | TrackBack(0) | 計画・意匠・デザイン

2008年07月30日

ファンズワース邸とグラスハウス

0807303.JPG0807304.JPG







ミースファンズワース邸ジョンソングラスハウス、ジョンソンがミースの影響を受けてグラスハウスを作ったのは知っていたのですが、実はグラスハウスの方が先に出来ていたということを知りました(いまさらで恥ずかしいです)

ファンズワース邸は1951年竣工、グラスハウスは2年早く1949年竣工です。
なんでもミースがニューヨーク州の建築士の資格がなく、ジョンソンにシーグラムビル(1958年竣工)の設計協力を依頼して、ジョンソンがミースの事務所で設計中のファンズワース邸の図面からインスパイアされたとか。
アイディアを盗んだとも言えますが、双方ともに近代建築の重要作品となったわけですから、硬いこと抜きで素晴らしいと思います。

ファンズワース邸は恋人がクライアントで、建築費が跳ね上がりすぎ(予算4万5千ドル→7万3千ドル)で裁判沙汰になったことや、開閉できる窓が小さく一つだけで、夏は暑くかなり住みにくかったことなど有名な話ですね。現在は保存団体によって管理されているようです。

一方グラスハウスは、ジョンソンのゲストハウスとして2005年に亡くなるまで使用されていて、現在も見学可能のようです。

面白いのは、色の対比もそうですが、使われている家具は両方ともミースのデザインしたものなんですね。やはり完成されたデザインのものは、他に代え難いものがあるんでしょうね。それと、ジョンソンのミースへの敬意の表れでもあるのでしょう。

どちらの家もロケーションが素晴らしくて、その環境が作品性を高めているのは言うまでもありません。

posted by クリエ at 09:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 計画・意匠・デザイン

2008年07月28日

ミース

080728.JPGルートヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエ(Ludwig Mies van der Rohe、1886年3月27日、アーヘン - 1969年8月17日、シカゴ)

ル・コルビュジエ、フランク・ロイド・ライトと共に近代建築の三大巨匠と呼ばれています。大学で建築を学び始めて知ったその3人の中で、私が一番好きなのはミースです。

ミースの有名な言葉“Less is more.” (より少ないことは、より豊かなこと)の通り、彼の作品はシンプルでシャープな美しい造形です。

写真は1929年、バルセロナ国博覧会で建設されたドイツのパヴィリオン。
ミースはここでスペイン国王夫妻のために2脚の椅子を用意しました。それが有名なバルセロナチェアーですね。黒革の印象が強いですが、オリジナルは白革です。この椅子を置いて様になるような家に住むのが私の目標です。

パヴィリオンは博覧会終了後に取り壊されたが、1986年に同じ場所に復元され、ミース・ファン・デル・ローエ記念館となっているということです。

平面計画やいくつかの写真を見て思うことは、アプローチからのシークエンスをどのように見せるのか、考えつくされていること。
ただ単にシンプルだけでなく、歩みを進めるたびに空間の展開が広がることが素晴らしいです。
今は想像だけですが、体験してみるとまた違った印象を受けるでしょうね。

ここも訪れたい場所の一つです。
posted by クリエ at 09:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 計画・意匠・デザイン

2008年07月19日

「いい間取り」の条件

0807182.JPG「いい間取り」の条件、住まい手によって変わってきますが、全般的に言えそうなことを考えてみます。

まず第一に、外部環境をうまく取り入れていること。
つまり、太陽の光や風をうまく取り入れることです。
太陽の光については、1年を通した太陽の軌道を考え、どこからどの時間に光が差し込むか、周辺の建物とどう関係するかなどを考える必要があります。
隣が空き地の場合は、そこの将来の可能性について都市計画などを参考に検討しておく必要がありますね。
風の流れについても、季節風だけでなく室内の対流なども考慮する必要があります。

次に、ゾーニング。
簡単にいえば部屋と部屋のつながり方です。
どの部屋とどの部屋をどこに置くのか、どの階に置くのか、これが結構難しいんですね。
上下階との関係、構造的な制限、動線などうまく収めながら考えていきます。
部屋の大きさなど押さえておいて、このゾーニングが出来れば、ほぼプランが出来たといえるほど、このゾーニングは重要です。

上の2つは必要条件ですね。
これに「余白」や「遊び」の要素が加われば。豊かな空間となり「いい間取り」となるのではないでしょうか。ここも相当奥深い領域ですね。

間取りを考えることは、パズルを組み合わせるのに似ていますが、答えば一つではなく、いく通りもあります。
取捨選択を繰り返し、練り上げていく、最後はそのセンスにかかってくると思います。

とても簡単に書きましたが、間取りひとつとっても本当に奥の深い世界です。だからこそ面白いのです。


≪ 昨日の写真の場所の建築後。雑木林が一変、シャープな家の出現です。別な意味で自然破壊とも言えますが・・・(汗) ≫
posted by クリエ at 10:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 計画・意匠・デザイン

2008年07月06日

頭がよい子が育つ家、続き

080706.JPGきのう書いた記事を読み返してみると、途中から脱線して、「子育て支援住宅」の話になってしまっているので、今日はもう一度「頭がよい子が育つ家」の事を書こうと思います。

エコスコーポレーションの説明では「頭のよい子とは、たんに勉強のできる子ではありません。感性と想像力にすぐれた、生きた知識をもった子です。必要なのは、探究、交流、表現ができる力です」とあります。
ミサワホームの8つの知性を身につける・・・というのと根本は同じですね。

では、どう具体的になっていくのかというと、表現力を養う→空間を多目的に使えるプラン、探究力を養う→空間を広く使えるプラン、交流心を養う→動線を共有できるプラン、となります。

どんなモデルプランかというと、玄関ホールにライブラリーとして家族みんなで使う本棚を設け、コミュニケーションの場になっていたり。家全体の中央には対面キッチンがあり、お母さんが家全体の気配を感じながら家事ができたり。子供部屋は可動間仕切りでリビングとオープンにつながったり。全身を写せる大きな鏡があったり、落書きやメッセージボードになるガラスの黒板があったり。
と、だいたいこんな感じです。

パンフレットにはお父さん、お母さん、お兄ちゃん、妹の4人家族の写真が出てますが、モデルプランには妹の部屋がなかったり(かわいそうです・・・)どこで寝るのでしょうか。・・・そこは突っ込むところじゃないんでしょうが、ひとつマンションプランの限界を示しているのも事実なのだと思いますね。(余談です)

このようなコンセプト、なぜ必要なのかということを考えると、核家族化が進み、個室化が進み、親が家にいる時間が減り、家族の会話が減る。その結果として学力の低下や非行や犯罪が起こってしまうようになったのではないか・・・という流れなんですね。
過去の凶悪な少年犯罪はこのような家で育っていた・・・なんて少し乱暴な括り方もできるみたいです。

それはいかん、開放的で、もっと家族が交流できる家にしよう!ということでこうなったわけですね。

なんだか振れ幅が大きすぎて、これでいいのかな?と思う節もありますが、コンセプトとしては「尖らないと目立たない」ということなんでしょうね、きっと。

昨日も書きましたが、これらのモデルプランにはたくさんのヒントが色濃く表されています。それらを理解し、活かしていくことが設計者としての腕の見せ所でしょう。

≪ 写真は6月25日の記事の写真を上から見たところ ≫ マンションでは圧倒的に平屋間取り、こういう立体的な空間構成に乏しいのも弱点といえるのではないでしょうか。逆に戸建ての魅力のひとつでもありますね。空間的知性を身につける場となります。

posted by クリエ at 08:48| Comment(2) | 計画・意匠・デザイン

2008年07月05日

頭がよい子が育つ家

0807052.JPG住宅に関心がある方でしたら一度は聞いたことがあるでしょうか。このフレーズ、上手ですよね、何だろうって思う、キャッチコピーとしても秀逸だと思います。

それで、その中身はというと、有名私立中学に合格した子供たちは、家族に見守られながらリビングや和室など気の向くままに空間を活用していた・・・という6年に及ぶ調査結果から、発展させた考えを組み入れた家のことで、エコスコーポレーションという慶応義塾大学の事業投資会社が提唱したのが始まりじゃないでしょうか。五感が満たされる家としてマンションなどで採用されていますね。

少し乱暴ですが、「頭が良くなる家≒子育て支援住宅」というくくりにすれば、その後各住宅メーカーでいろいろな商品が生まれましたね。

たとえばミサワホームのリンケージという商品。
「お子様の知性や感性を育てる住まい」、「子育てを応援する住まい」といったキャッチコピーで、お子様の成長に欠かせない8つの知性・・・時間的知性・自然科学的知性・言語的知性・理論数学的知性・空間的知性・芸術的知性・身体運動的知性・社会的知性・・・を身につけやすいデザインになってるということです。
ちょっと小難しい感じですが、モデルプランは家族がのびのびと楽しく生活できそうで、個人的にとても大好きなプランです。暗記して書き写せるくらいに隅々研究しました。

クリエイションとエコスコーポレーションやミサワホームは何の関係もありませんが、設計において情報やヒントが盛り込まれた商品研究はとても大切だと思ってます。
日々勉強、いろいろ吸収してより良い設計に活かしていきたいですね。

posted by クリエ at 14:00| Comment(0) | 計画・意匠・デザイン

2008年06月28日

続き部屋のすすめ

080628.JPG私の生まれた家、思えば築40年近くになる。
増改築を何度かしながら今も両親と共に健在だ。

いわゆる在来工法で建てられた日本家屋で、全て畳の部屋で、それぞれ障子か襖で仕切られていて、完結した部屋というものがない。良くいえば家族の気配が感じられる家で、悪くいえばプライバシーのない家となる。

戦後の日本における欧米文化の浸透は住宅にも及び、いつの間にか床は板張りで、各部屋は個室化してしまった。

子育て支援住宅や家族の絆を強くする家などのコンセプト住宅は、個室化してしまい家族同士が顔を合わせる機会を少なくしてしまった住環境・生活環境への一つの答えである。

現代に受け入れられる間取りを踏まえつつ、ほんのちょっとしたアレンジで、住まい方が大きく変わることが出来る。
たとえばリビングを通して階段を設けることや、個室を続き部屋にするということだ。

個室の続き部屋は、ライフステージの変化に応じて様々な使い方ができる。

たとえば、子供がまだいない夫婦だけの時、より広い寝室にもなるし、子供が生まれてからも10年くらいは同じ部屋で寝起きすることが多いので、そのまま寝室として使うことができる。

子供が2人いてまだ小さい時、ベッドや机を並べて2人1部屋で使うことができる。同性の場合は異性の場合より長く使うことができるだろう。もしかしたら、大人になるまでそのままかもしれない。

書き連ねればもっとたくさん使い方の例はあるが、要するに一般的な4LDKの場合2階は3つの個室が置かれる場合が多いが、その2室をつなげることで、家の使い方が増えるのである。

年頃の子供がいて拒否反応があれば、間仕切る建具に鍵を付ければ続き部屋を個室化することもできる。もし、子供が成長して家を空けることになれば、また広く使えることができるのだ。

と、ここまで書いてオランダのシュレーダー邸の事を思い出した。
シュレーダー邸とは比較にならないほと小さい変化だが、上手に快適に住んでもらえればと思う。

posted by クリエ at 09:35| Comment(2) | TrackBack(0) | 計画・意匠・デザイン

2008年06月19日

横長の窓

0806172.JPG・・・といっても、ル・コルビュジエの近代建築の五原則ではありません。
先日完成した分譲住宅のほうに横長の窓を採用してみました。
構造はツーバイフォーなので、一般的には巾160センチの窓が多いのですが、ここの窓の巾は240センチあります。たった80センチの広がりですが、両サイドを縦すべり窓として、まん中をFIX窓にしたので開放感が違います。
巷ではまだ縦に細長い窓で意匠する家が多く見られますが、これからは横長の窓が流行るかもと思うのは私だけでしょうか?
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2008年06月14日

日本のモダニズム建築

080614.JPG本屋さんでカーサブルータス特別編集「日本のモダニズム建築100」という本を見かけ、購入した。

学生の頃、写真集などで見た建物がたくさん載っていて、昔に戻ったような懐かしい気持ちと、今現在、その建築は存在しているものの、そのいくつかは老朽化のために存亡の危機に瀕しているということを知った。

そしてその代表的なモダニズム建築を調査研究する国際学術組織があって、DOCOMOMOというらしい(携帯電話みたいだけど)・・・世界遺産の近代建築版のようなものとのこと。

思えば最近はすっかりそういう建築に触れる機会が減ってしまったなぁと思う。休みの日には神奈川県立近代美術館(坂倉準三)などのんびりと訪れてみるのもいいかもしれないと思った。
posted by クリエ at 09:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 計画・意匠・デザイン