2009年05月31日

信頼できる設計事務所を見つける方法

富士ハウス被害者さんより昨日の記事に対してのコメントがありました。

過払いをしないのが重要ですね。
設計事務所をどうやって”信頼”すればいいのか、その方法が知りたいです。■

過払いといえば、設計事務所に対しても工事費ほど大きな金額ではありませんが、過払いしないように出来高に応じて支払うことが大切だと思います。
設計事務所によって異なりますが、設計と工事監理を合わせて工事費の10%位を設計事務所の報酬するところが多いようです。
ちなみに私の事務所では個々のケースに応じて設計料を算出しています。そしてその報酬のうち基本設計を4割、実施設計4割、工事監理で中間検査で1割、完了検査で最後の1割と分け、それぞれの区分の業務を終了した時点でお支払いいただくようにしています。そうすれば過払いするという事態は起こりません。

前置きが長くなりましたが、ご質問の設計事務所をどう信頼すればよいのかについて、信頼は手段ではなく結果なので言い換えれば、信頼できる設計事務所をどうやって探すかということになるでしょうか。これはなかなか難しい問題だと思います。
なぜなら、信頼を得るということはある程度時間を要することですからね。

家は車のように出来上がったものを購入するわけではなく、ほかに一つとしてない土地に、限りなくプライベートな生活の場となる「家」を作るということです。繰り返しになりますが、出来あがった商品を購入することと、建築主と設計者が共同で「家」という創造物を創り上げるということは大きく違います。
その大事な作業をゆだねる設計者の設計力もさることながら、設計者の建築に対する考え方、相性、そしてこの人に設計を任せて安心というまでの信頼関係、それら一つ一つの要素は非常に重要です。

信頼をおける設計者に巡り合うためにはいくつか方法があると思います。

一つ目に紹介。
いわゆる知り合いの紹介。紹介する人が「○○さんはきちんと仕事をするひとだよ」という話があれば先ずは安心できますよね。実際この紹介が仕事につながるケースがほとんどだと思います。よく考えると、ある程度確実性のある方法はこれしかないのかもしれません。

二つ目に実績。
実績が多くあるということは、しっかりとした仕事をしていて、紹介による仕事もしっかりあるということの証でもあります。また、作風による好き嫌いというのも判断できますね。
そして紹介→実績→紹介といったように巡り巡るわけです。

三つ目にコミュニケーション。
建築家の「先生」にお任せなんていう場合を除いて、建築主とのコミュニケーションもとても重要です。設計者は建築主に、言葉通り「成り変って」建築主の生活の場を作り上げるわけですから、建築主の生活スタイルやものの考え方、新しい家に期待すること、将来への展望などを建築主から引き出し、設計者の専門的知識や柔軟なアイディアによって「家」を創造するわけですから、その引き出すという作業はとても重要ですし、そのためにお互いに十分なコミュニケーションが必要だと考えます。

最後に念を押すなら、最初の紹介に重なりますが、その設計者が設計した作品に住む家族に話を聞いてみるというのも非常に良い方法ですね。これは、ハウスメーカーの仕事ぶりについても同じことが言えると思います。ここまで出来ればリサーチとして万全だと思います。

ここまで書いてみると、上の二つ目と三つ目は巡り合う方法ではなく、信頼の度合いを測る手段ですね。。。
本人とよく話す。本人以外の人から情報を得る。そんな地味な方法しかないのかもしれません。


私も昨年3月に独立し設計事務所を開業したので、これまでの実績の多くはサラリーマン時代に設計したものです。独立してからはサラリーマン時代に関係のあったところからの設計の依頼というのがほとんどです。手前味噌ですが、きちんと「信頼」を築けてきた結果なのだと思っていますし、しっかりとした仕事が信頼を生むのだと思っています。


そのほかに、設計事務所を見つける方法としては、コンペ方式で広くアイディアを募る方法もあります。これは信頼というよりアイディア先行といった意味合いが強くなります。コンペ運営する会社もあるので、それを利用するのも一つの方法です。
また、「施主と建築士の広場」のように建築主と設計事務所のお見合いのようなことを運営しているサイトを利用することも一つの方法ですね。



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2009年05月30日

そして、ローンだけが残った〜相次ぐ住宅メーカーの破たん〜

27日のNHKクローズアップ現代「そして、ローンだけが残った〜相次ぐ住宅メーカーの破たん〜」を観ました。

番組で取り上げたのは「富士ハウス」や「アーバンエステート」のような注文住宅メーカーの破たんによって未完成の工事に多額の住宅ローンを抱えたままの建築主、そして、なぜそのような理不尽なことが起きうるのかということ。

上記2社は未完成住宅2,500戸、負債総額70億円という規模、比較的大きな会社2社でこの規模なので、全国の小さな工務店等の破たんも含めるといったいどのくらいになるのだろう。

それはさておき、
番組で問題としていたのは、工事の出来高を大幅に超えた過払いのこと。着工時または着工間もなく8割を超えるような支払をすることで数%工事代金を引き下げるからとメーカー側が建築主に迫り、支払間もなく会社が破たんといったケース。
中では地鎮祭を行い、工事代金をほとんど支払い、その翌日会社が破たん。。。「そして、ローンだけが残った」…悲惨です。
破たんした方は、当然破たん寸前で必要な資金に充当しているわけで、建築主の建築に使われるはずのお金はいいように利用されているにすぎないのだ。

CMを大々的に流している会社だから、全国規模でやっている会社だから「大丈夫だろう」という建築主の甘さも問題の一つと言えなくもないが、悪いのは当然だます方の住宅メーカーだ。
それと、そういうことがまかり通るような法の不備を野放しにしている政府の怠慢にも大きな問題がある。マンガの殿堂なんか作ってる場合じゃない。
また番組でも触れていたが、銀行側の責任というのはないのだろうか、銀行ならばその住宅メーカが倒産しそうなのかどうかもある程度というかかなり把握していたのだろうに、その会社が倒産すれば建築主に無用の負担が覆いかぶさることを承知でローンを組ませたのだから。破たんした住宅メーカ同等の悪質性が伺える。

こんな感じで…

(建築主)「あなたの会社を信用して一生に一度の大きな買い物「夢のマイホーム」を建てる決心をしました」

(営業)「ありがとうございます。では契約時に工事代金の8割をお支払いください。そうすれば5%割引しますのでお得です」

(建築主)「そうなんですか、よかった!助かります」

(営業)「では、ローンは○○銀行で組むようにセッティングしましょう」

その後建築途中で会社は破たんし、工事はストップ、最悪工事高ゼロという現場もあるらしい。
更地のまま数千万円で30年のローンだけが残る…あり得ない…

太陽が西から上るような非常識な話だが、建築主はどうしたらそのような悲劇に合わずに済むか、その手段を2つ番組では紹介していた。

・完成保証の利用
・支払いを出来高に見合ったものにする

完成保証は施工会社が倒産したときに、何とかしてくれる保険で、結構なことだけれど、条件が厳しくて、必ずしも安心しきれるといったものでもないので注意が必要だということを言っていた。

出来高払いについては、建築主のリスクを減らす最良の方法だろうと私は思う。番組では工事代金の1%で出来高をチェックする会社を紹介していた。



私が建築設計事務所を営んでいるので、宣伝になってしまいますが、このようなリスクを回避するために、設計事務所は大いに活躍できるのではないかと考えています。

設計事務所は設計と工事監理が本業です。設計以外にも工事中の施工会社と建築主の間に立ち、工事をコントロールする役割もあります。上記の出来高払いについても、あらかじめ施工会社に納得させて工事を進めることもできます。もし、施工会社が破たんしてしまっても、出来高を超えて支払いしていなければ、残った工事を別の施工会社に依頼し進めることも容易です。

ここで大切なのは、建築主が家を建てる際に最初にどこへその依頼をするかということ。
建築主が設計事務所へ依頼すれば、設計事務所が施工会社をコントロールすることが容易ですし、競争入札で工事代金の比較もできます。しかし逆に施工会社に直接依頼した場合、施工会社が設計の依頼を設計事務所にするもしくは社内で設計するので、設計サイドではなかなかコントロールするような主導権は握れません。なぜなら施工会社が設計事務所にとっての依頼主となるからです。

設計事務所へ仕事を依頼する。
やっぱり最後は「信用」や「信頼」になってきますね。



先日ブログで書いたご近所の「さくらホーム」
弁護士一任ということで、破産なのかどうか確定していないようですが、どうやら完成保証には入っていたようで、スタッフが完成まで面倒みますというようなことがスタッフブログに書かれていましたね。
でも、もしさくらホームが破産となった場合、スタッフの給料は完成保証の保険から出るのでしょうかね?それともボランティア?そもそも破産後も残りの工事を続けられるのでしょうかね?そのあたり詳しくないのでわかりませんが、完成保証に入っているからと言って建築主は不安でしょう。
それに少なくてもアフターサービスは受けられなくなるわけですから。私だったら施工前でお金を支払っていなければ施工会社を変えますけどね。さくらホームの建築主は心の広い方ばかりのようです。
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2009年05月27日

堀部安嗣の建築

0527.JPG2007年11月TOTO出版から初版された題名の通り堀部氏の建築作品集です。

本屋さんで手に取り何気なく眺めていて、第一印象は、ずいぶん味わい深いなぁということ。
なんて言うか、静かで美しい空間。

少し昔っぽい感じもするけれど、堀部氏は1967年生まれ。まだ40代です。

購入して以来、手元に置いてよく眺めています。
法令集よりも良く見ているかも。。。

彼の建築の特徴のひとつは天井の低さ。
作品集の初めに登場する「南の家」は平屋ながら2.19mの天井高さ。ぐっと抑えられた空間はちょっと自分じゃできない感覚かもしれません。

だからこそ堀部氏の建築なんだと言えばそれまでなんですが、建築の一ファンとして、堀部氏の建築は大好きです。






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2009年05月24日

HOME 空から見た地球

090524.JPG6月5日「世界環境デー」に放送されるエコロジカル・ドキュメンタリーです。
世界88カ国全メディア一斉公開という一大プロジェクト。日本ではユナイテッド・シネマとWOWOWで公開されます。WOWOWは無料放送です。

監督のヤン・アルテュス=ベルトランはこの映画を出来るだけたくさんの人に見てもらいたいということで、映画を無料にしたいという思いがあって、それを支えたのがリュック・ベッソンのヨーロッパコープだったということです。

まあ、何はともあれ美しい映像を楽しみたいものです。

画像は「HOME 空から見た地球」のHPより
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2009年05月17日

F1騒動

昨日、民主党の代表が決まりました。
政策よりも、政局や選挙ということで「選挙の小沢」頼みが世論の変化を望む声を押し切った形となったように感じます。。。

それはさておき、タイトルのF1の話。

今年のレギュレーションで大きくマシンデザインが変わり、KERSという新しい技術も加わり、有力チームが低迷しているなど混迷中のF1界ですが、さらに来年にむけて、混迷に拍車をかける事態となっているようです。

その混迷の最大の原因の一つは、4,000万ポンドの予算制限で、この制限を選択すれば、走行テスト無制限、風洞実験無制限、エンジン基数無制限、フロントウィングの角度変更回数無制限、リアウリングの角度変更可、KERS出力が160KW、駆動方式が4輪可、KERSも4輪可など、制限がなくなったり、緩くなったりするということ。逆に予算制限を選択しなければ、上記の項目に制限が加わり、項目だけ見れば明らかに不利になってしまうでしょう。

つまり、予算制限を超えてマシンを開発しても、手かせ足かせがついてしまうが、予算制限を守ればお金持ちチームよりも有利な条件でレースができるということ。まあ、一見矛盾してますよね、予算がない中で4輪駆動の開発ができるかどうかとか、テストだってたくさんできないだろうし。。。

そんな二つのルールが存在する中でレースなんかできやしないと、F1撤退をにおわせているのが、トヨタ、BMWザウバー、レッドブル、フェラーリ、ルノーと看板チームの面々。逆に予算キャップの影響もあるのか新規参入組もあって、USF1、ライトスピード、ローラなど。

下手をすると、世界最高峰の自動車レース界がそうではなくなってしまうかもしれません。私たちは純粋にマシンのデザインや技術の進歩、そしてレースを楽しむわけですが、実はそれ以外の政治的な部分もかなり多くの部分を占めているのだなぁと改めて感じさせられます。

来年のエントリー締め切りが今月29日に迫る中、FIAも強硬姿勢を崩さない様子で、これからF1はどうなっていくのか不安です。
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2009年05月15日

さくらホーム事業停止、弁護士一任

我が家のご近所でもある「さくらホーム」(川崎市高津区久本)が本日業務停止となり、事後処理を弁護士一任となりました。負債総額約30億円。

私とは直接何の関係もないのですが、同じ地域、同じ住宅業界なので、あおりを食らったところなどないのか心配です。

平成5年に不動産仲介業で創業し、平成11年から戸建て事業を始めてきたとのこと。平成19年には自社ビルも建ててイケイケな感じだったのに・・・。

事業停止したことを知り合いから聞いて、ネットでさくらホームのホームページを見て驚きました。

2009年度注文住宅受注棟数 残20棟です。

・・・はやく注文しないと無くなっちゃうよ的なトピックスが・・・
無くなっちゃうのは、受注件数ではなく、会社そのものだったのですね。。。

もっと驚いたのはスタッフのブログ。
会社がやばいっていうことは、おそらく自覚しながら注文住宅などを進めていたんでしょうね。
地鎮祭やら、プランの打ち合わせなど、あと数日で終わってしまう会社の動きとは到底考えられないような活動です。

私はそのような体験をしたことがないので、わかりませんが、そんなものなのでしょうか?
建築途中の建築主はどうなっちゃうんでしょうね??
完成保証とか入っていたんでしょうかね??
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2009年05月10日

バロンチェア

090510.JPG仕事で使っていた無印良品の椅子が壊れたため、新しい椅子を購入しました。
仕事柄、外出することもありますが、椅子に座っていることの方が多くて、時間にすると10時間くらいはあるでしょうか。
そう考えると、ベッドよりも体を接することの多いギアということになりますね。

・・・ということで、椅子は大切だ!

となり、まずはネットでいろいろ探してみました。

ハーマンミラーのアーロンチェアも魅力的だったのですが、ヘッドレストが欲しかったことで、選択外へ。
候補として挙げたのがオカムラのコンテッサとバロン。
どちらもGIUGIARO DESIGNの美しい造形です。

候補は決めたけど、実際座ってみないとわからないので、家具屋さんに行って座ってみました。
そこにはハーマンミラーのアーロンチェアをはじめ、セラチェア、ミラチェアも置いてあり、コンテッサ、バロンとすべて座り比べてみることができました。利き酒ならぬ利き椅子ですね。

「利き椅子」の感想といえば・・・。

まず、アーロンチェア。座り心地は最高。ふわふわと浮かんでいるようで、これが椅子かと思うほど次元が違う座り心地です。特に腰かけたときの沈み込みの感じと、リクライニングの座面の連動性が絶妙で、体によくフィットします。
さすがに1995年に登場以来ロングセラーで、ニューヨーク近代美術館の永久展示品に選定されていることだけはあるな〜と思いました。
はじめ情報だけで選択外にしていたけれど、あまりのすわり心地の良さに心が揺れました。。。

ハーマンミラーの他の椅子、セラチェアとミラチェアも座りましたが、座面や背もたれが固すぎで、いまひとつの感じ。リサイクル割合の高さを目指すなどコンセプトの違いなどもありますが、アーロンを超えるのはなかなか難しそうです。

そしてオカムラの2機種にも座ってみました。
オカムラとジウジアローのコラボで作った2つの椅子。最初に作ったのがコンテッサチェア。背もたれの部分とフレームが分かれていて、メカニカルなデザインがカッコイイ!
でも、ヘッドレストがラグビーボールをつぶしたような小さなものがちょこんとあって、それがなんだかかっこ悪い!
使い心地以前に、見た目も大切だし・・・ヘッドレスト有りならコンテッサはないなと思いましたね。
すわり心地はバロンと比べて大差はないように感じました。
ハーマンミラーと比べると、腰かけたときやリクライニングのときの座面の連動性が乏しく、どかっと座った時の包みこまれるような感じがオカムラの椅子にはあまりないようですね。
次に最有力のバロンチェア。
コンテッサのように凝ったデザインではないけれど、コンテッサを継承した美しいデザイン。2006年にはiFデザイン賞とreddotデザイン賞なるものを受賞してます。ヘッドレストを付けてもコンテッサのような違和感がなく、すっきりとした感じです。使い心地もメッシュの張りが良い感じでなかなか快適です。

すわり心地はアーロンチェアだけど、リクライニングした時のヘッドレストがあることの快適さを優先して、初心貫徹、バロンにしました。

座面はメッシュとクッションから選べるということで、ちょっと悩みましたが、メッシュにしました。
色はオレンジ。明るすぎずちょっと暗めのオレンジで、納品してみると、派手さはないけれど程よいアクセントカラーになりました。

使ってみて2週間ほどになりますが、以前の椅子が椅子だっただけに、天国のような使い心地。
やっぱりデスクワークには、ワーキングチェアですね。

妻には「いい椅子ですね!」なんて冷やかしなのか、妬みなのか分からない微妙な言葉も頂きつつ。快適に仕事をしています。

ただ、使ってみて気になるところがひとつ。
座面がメッシュだと、座面の先端部分はスポンジのようなクッションが入っていて、フレームに当たらないようになってます。
そこの部分がメッシュだけの部分と異なるクッション性となるので、若干太ももの裏に違和感を覚えます。
これは足の長い人なら影響はないかと思いますが・・・。
それも実際に気になったのは最初のうちで、最近は気にならなくなってます。

椅子は大切だ!ということで、バロンチェアも手に入れたことだし、仕事に励みますよ!

写真はオカムラのバロンのサイトから。

posted by クリエ at 11:16| Comment(0) | TrackBack(1) | 日記